今回は、ホラー映画「The Cellar(原題)」を紹介します。4人家族が田舎の一軒家を購入して引っ越したらそこが幽霊屋敷だったという、もう定番中の定番。見飽きたはずなのになぜか見てしまう幽霊屋敷ホラーです。ただし、本作はアメリカではなくアイルランド産。果たしていつものやつなのか、そうではないのか……。
■作品概要
作品:The Cellar
製作:2022/アイルランド
上映時間:94分
■あらすじ
田舎の一軒家に引っ越してきたウッズ一家。母親キーラは、引っ越しで友達と離れたせいでずっと不機嫌な娘エリー、いたずらばかりの息子スティーブンに手を焼きつつも心機一転頑張ろう!と思うが、当然のごとくここは幽霊屋敷。早速引っ越し初日、両親が仕事で留守にする中、停電したのでブレーカーを探して地下室に向かったエリーが行方不明に。父親ブライアンは家出だと思い込んでいるが、キーラは地下室に"何か"の存在を感じ始める……。
■予告編
■ネタバレなし感想
毎年のように量産され続ける幽霊屋敷ホラーがアイルランドからやってきました。だいたいストーリーがテンプレ化しているのですが、良くも悪くも本作もテンプレ通りな作りになっていて、特に意外な展開もない"いつものやつ"でした。
一家が新居に引っ越し、子供たちが嫌な雰囲気を感じ取るも両親は相手にしない。娘が行方不明になるが父親は家出だと思い込んでいて、母親が"何か"の存在を訴えるも頭がおかしくなったと逆に心配される。そして結末へ……。
といういつもの展開です。ただ、個人的には合格点と言いますか、それなりに退屈せずに見ることができたので良かったです。
ネタバレではないと思うので、好きなシーンを。それはエリーが行方不明になる場面なのですが、ブレーカーを探して地下室に向かうエリーは怖くなって母親に電話をかけます。電話で母親は「地下室の階段は10段だから一緒に数えながら降りましょう」と励ますんです。そうしてエリーは「1、2、3」と数え始めるんですが、「10、11、12、13……」と10段しかないはずの階段を降り続け、声からは感情が消えていきます。母親が慌てて家に帰るとエリーは姿を消していました。とてもシンプルなんですけど、妙な気持ち悪さを感じるシーンでとても良かったです。
死霊館を意識したパクリ邦題でいつの間にか配信が始まりそうです。
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■ネタバレあり感想
↓ここからネタバレありなので注意です!!!
行方不明になったエリーを探すキーラが家の歴史を調べると、かつて有名な数学者が住んでいて、しかも彼の家族も行方不明になっていたことが分かります。唯一生き残った娘を訪ねると、父親が病気になった息子を助けるために悪魔リヴァイアサンを呼び出す数式を完成させてしまったことが明らかになります。
実は家の中にはリヴァイアサンを呼び出す古代文字が刻まれていて、地下室の階段にも謎の数式が彫り込まれていたのでした。最後、なんやかんやあってエリーを見つけるのですが、あと一歩のところで一家全員が正気を失い、「1、2、3……」と数字を数え始めるというバッドエンドとなりました。
決して雰囲気は嫌いではなかったのですが、"いつものやつ"の域を出なかったのが非常に残念です。また、父親ブライアンがあまりにも役に立たないのでずっとイライラしてしまいました(笑)。娘が行方不明になったというのに、どうせ家出だと言って心配する様子すら見せないし、キーラが悪魔のことを伝えると頭がおかしくなったと思って彫られた数式をハンマーで破壊しようとするし、最後まで何の役にも立たなかったのが残念でした(演じるオーエン・マッケンは好きなのですが)。
暇で他に見る映画がなかったら見ても良いかと思いますが、無難に死霊館とか見ておいた方がきっと楽しい時間を過ごせるかと思います。
■関連作品
・斬新!水中に沈んだ幽霊屋敷!
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