2023年最後に紹介するのは、ホラー映画「When Evil Lurks（原題）」です。監督のデミアン・ラグナは2017年のホラー「テリファイド」で一躍有名になりましたが、今回は2023年ベストホラーと言えるようなとんでもない作品を生み出してしまいました。「テリファイド」は正直そこまでハマらなかったんですけど、本作は思わず「えっ！？」と大きな声を出してしまうほどの衝撃的なシーンがあるヤバすぎな傑作です。
作品概要
作品：When Evil Lurks／Cuando acecha la maldad
製作：2023／アルゼンチン・アメリカ
上映時間：99分
https://www.imdb.com/title/tt16300962/
あらすじ
田舎で暮らす兄弟ペドロとジミーは、夜中に森から怪しげな銃声が聞こえたので見に行くと、切断された男性の下半身を発見する。その男性は地図を持っており、どこかに向かう途中だったらしい。気になって行き先のとある民家を訪れると、マリアという女性が2人の息子と住んでいた。どうやら長男ウリエルが悪魔に取り憑かれており、死んでいた男性はその対処をする予定だったとのこと。ウリエルはグジュグジュ系に腐り始めて身体中から汁が出ていて、明らかに悪魔に取り憑かれている様子。ペドロたちは近所に住むルイの力を借りてウリエルを家から運び出そうとするが、これは難易度が高すぎる呪いのルールを破ってしまうことになるのであった……。
予告編
ネタバレなし感想
いやー、本当に地獄のような最悪の映画でした。冒頭でも書きましたが、途中でショッキングなシーンがありまして、思わず一人で大声を出してしまいました。
物語は、ペドロとジミーの兄弟が森で死体を発見し、悪魔に取り憑かれた男ウリエルの家に辿り着くところから始まります。死んでいた男は悪魔祓いを行う予定で、どう使うのかも分からないような謎の器具を持っていました。
その後ペドロとジミーは近所のルイに相談し、ウリエルをこのまま村に置いていたら厄を呼び込むと思い、車で運び出してしまうのです。映画の後半で分かるのですが、この悪魔には厄介すぎるルールが存在し、「動かしてはいけない」というのもその一つでした。
それをきっかけに、最悪な呪いが発動します。これは予告編にあるので書いてしまいますが、ルイはヤギの姿で現れた悪魔と対峙します。その時「悪魔を銃で撃ってはいけない」というルールを無視して撃ってしまい、その直後、一緒にいた妻が悪魔に操られルイを斧で殺し、自分の顔にも斧を何度も突き刺します。これがポスターのシーンなんですけど、もう自分の意思ではどうにもできない無理ゲーに心が折れます……。
それから周りの人たちを守ろうと行動するペドロとジミーなんですが、特にペドロが本当に役に立たないというか、「なんでこうしないの！あんたのせいで！」と非常にイライラさせてきます。
本当に面白いので、間違いなく日本でも劇場公開されるのではないでしょうか。
ネタバレあり感想
↓ここからネタバレありなので注意です！！！
ルイの死を知ったペドロとジミーは呪いが現実であることを実感し、ペドロの別れた妻と子供たちに警告しに行きます。妻はすでに再婚して夫と幼い娘がいるんですが、家に着いたペドロはウリエルを運んだ時に着ていた服をすぐに脱いで燃やします。しかし、この呪われた服に近づいてしまったのがこの家で飼っている犬（しかも大型犬）！
なんとこの犬は近くにいた娘に突然襲いかかり、首根っこをくわえて外に出ていってしまうんです。このシーン、あまりにも衝撃的すぎてヤバかったです。そして夫は怒りに任せて犬を銃で殺してしまうんです。そう、銃を使うというルールを破り呪いに触れた夫は、外にいた妻を車で轢き殺します。呪いの連鎖というか、理不尽すぎるルールが最悪です。
その後もなんやかんやあるのですが、どうやらこの悪魔は子供を操るらしいのです。操られた子供たちに襲い掛かられたり、あと少しのところで子供に騙されたペドロが失敗したりして、最後はもう諦めて家に帰ります。
そこにはペドロの母親と待っていたはずの息子の姿があったのですが、母親の姿はどこにも見当たりません。すると急に息子が咳き込むので「どうした？何か喉に詰まってるぞ！」と慌てて息子の口の中に手を突っ込むと、口の中から母親の髪の毛や身につけていたネックレスが出てきました。
悪魔に取り憑かれた子供たちは、親族を殺して食べてしまったのです。ペドロが絶望し、物語は幕を閉じます。何一つ解決せずに終わったので、きっとこの呪いでこの後も大変なことになるんだろうな、と予想させて終わります。後味が悪くて最高に最悪な映画でした……。
関連作品
・間違いなく似た空気を感じる映画
・こちらも最悪な呪いの映画
