ネタバレあり感想「TITANE／チタン」パルムドール受賞作はとんでもない怪作！

今回は、2022年4月1日に日本で公開されたスリラー映画「TITANE／チタン（原題：Titane）」を紹介します。本作は2021年、過去に「万引き家族」や「パラサイト半地下の家族」が受賞しているカンヌのパルムドール賞を受賞しました。パルムドール獲ってるなら面白いのかな？という気楽な気持ちで見るととんでもない感情にさせられる怪作です。

■作品概要
■あらすじ
■予告編
■ネタバレあり感想
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■関連作品

■作品概要

作品：Titane
製作：2021／フランス・ベルギー
上映時間：108分

https://www.imdb.com/title/tt10944760/

■あらすじ

子供の頃に交通事故に遭い、頭にチタンプレートが埋め込まれているアレクシア。車に執着するようになった彼女は車の展示会でダンサーとして働いており、サインを求められるほど人気を集めていた。父親との関係はうまくいっていないもののそれなりの日常を過ごしているように見えるが、実は彼女、とんでもない秘密を抱えていた。

■予告編

www.youtube.com

■ネタバレあり感想

最初にも書きましたが、本作はとんでもない怪作です。正直、僕に解説は無理なので、それはプロの方にお任せしたいと思います……。僕に書ける範囲で書くので、今回はネタバレありのみの感想にしたいと思います。衝撃を感じたい方は、情報を入れずに鑑賞することをおすすめします！

作品の感想の前に映画自体の話をすると、本作はジュリア・デュクルノー監督による長編2作目となります。デビュー作は「RAW～少女のめざめ～」。これもなかなかの衝撃作で、すごい映画を見てしまった！という気持ちになったことを今でも覚えています。

↓ここからネタバレありなので注意です！！！

さて、本作のタイトルであるチタンは、主人公アレクシアの頭に埋め込まれているチタンプレートのこと。子供の頃、父親と車に乗っているときに事故に遭い、頭に埋め込むことになります。大人になって車に対して異常な執着を持ちながらダンサーとして働いていますが、実はアレクシアは殺人衝動も持っていて出会った人々を次々と殺します。そして車とセックスして妊娠し、殺人の証拠を家で燃やしていたら思ったより火が回ってしまい、両親を家に閉じ込めて逃げます。

ここまでが前半です。まだ前半なので、車とセックスして妊娠って何？次々と人殺すのなんで？なんて言ってられません。後半はガラッと空気が変わります。正直、前半と後半で別の映画と感じるほどです。

そして後半。殺人犯としてニュースに自分の似顔絵が出てしまったアレクシアはいいことを思い付きます。子供の頃に行方不明になったという少年の似顔絵がわりと自分に似ているから、なりすませばいいんだ！（どういうこと）。髪の毛を切ったり自分で鼻の骨を折ったりしてなんとか似せたアレクシアは、少年の父親ヴィンセントと対面し同居を始めます。

ヴィンセントは消防士で、ステロイド注射を打ちまくっている男なんですが、子供が行方不明になってから離婚もして喪失感を抱えて生きてきたようで、息子になりすまして帰ってきたアレクシアと奇妙な絆で結ばれ、関係を深めていきます。

ヴィンセントは本当の息子ではないと気づいてもなお、アレクシアと同居を続けます。きっと彼には誰かが近くにいることが必要だったんだろうなと感じますし、一方のアレクシアも父親との関係がうまくいっていなかったので、ヴィンセントが必要だったんだと思います。

最後、アレクシアは体からドス黒いオイルのようなものを流しながら出産し、命を落とします。ヴィンセントが赤子を抱きながらエンディングを迎えるという結末でした。

結末までざっくり書きましたが、ここには書ききれないほどのいろんな展開、演出があり、説明なんてしきれません。何度も「この映画、なんなの……」「痛いっ！」と呟きながら見ていたので、いろんな意味でハードな映画でした（笑）。

正直、自分がこの映画をきちんと理解できたかなんて分かりません。それでも見終わった後に複雑な感情を覚え、何日か経っても映画のことが頭に残っているので、すごい映画だと思います。ジュリア・デュクルノー監督、3作目にも期待です。