「Hell House LLC」シリーズ特集の第3弾！今回は3作目であり三部作の完結編「Hell House LLC III: Lake of Fire（原題）」を紹介します。かつて多くの人が亡くなる事件が起き、その後もホテルに入って行方不明になる人が続出したアバドンホテルはとうとう取り壊しが決定。しかしある人物がホテルを買い取り、体験型演劇のシアターとしてオープンすることになります。なんでそんなことするの！と怒りたいところですが、実はなんと……という展開になっています。
作品概要
作品：Hell House LLC III: Lake of Fire
製作：2019／アメリカ
上映時間：85分
https://www.imdb.com/title/tt10675136/
あらすじ
あまりにも多くの死者、行方不明者を出したことから、笑えないレベルのいわく付き物件となったアバドンホテルは取り壊しが決定。しかし、億万長者のラッセル・ウィンがホテルを買い取り、彼が主催する体験型演劇プロジェクト"インソムニア"のシアターとしてオープンすることに。プロジェクトを取材することになったチームのヴァネッサは、次第にラッセルの本当の目的、その真相に近づいていく。そんな中で迎えたオープン初日、当然のことながら無事に初日が終わるわけもなく、かつてのお化け屋敷Hell Houseのような大パニックの夜が始まろうとしていた……。
予告編
ネタバレなし感想
アバドンホテルをシアターとして再利用するプロジェクトが始動し、例によって取材チームが同行するという設定の本作。また懲りずにこんなことを……いい加減にしろ！と言いたくなるのですが、なかなか面白い完結編になっています。
今回の物語は、プロジェクト"インソムニア"に関わる劇団員、スタッフ、密着取材チームを中心に描かれます。プロジェクトを主催するワイアットは非常に謎が多く何を考えているのか全く分からないのですが、そのカリスマ性から人々の関心を引きつけています。そのワイアットが本作の最重要人物となります。
また、今回は1作目と異なり、ワイアットが決めたルールにより劇団員やスタッフはこのホテルで寝泊まりすることを許されていません。さらには稽古が終わった後はホテルに入ることすら許されないのです。当然、面白半分で夜中に忍び込んだ団員は恐ろしい目に遭うのですが、ワイアットはお金の力で誰にも言わないよう口を封じます。何が何でもオープンさせるという強い意思を感じるのですが、彼が一体何を成し遂げようとしているのかが本作の重要な鍵になります。
1作目から始まったこの悪夢がどのような決着を迎えるのか？ワイアットが何をやろうとしているのか？完結編として非常に面白い展開となっています！
Amazonで見れる作品はこちら！
・POVホラーのお気に入り
ネタバレあり感想
↓ここからネタバレありなので注意です！！！
ワイアットの目的、それはかつてホテルの地下室で開いてしまった地獄の門を閉じること。これは意外な展開でした。
計画の詳細は最後まで明かされないんですけど、地獄の門を閉じるには多くの人を集めて一度地獄の門を開く必要があるみたいなんですよね。開いた門からはいつもの黒マントの奴らが次々と現れ、団員やスタッフ、来場客を次々に殺し、取材チームのヴァネッサも命を落としてしまいます。しかし、地下室に現れた悪魔崇拝カルトの教祖であるオーナーの前にワイアットが立ちはだかり、その企みを阻止しようとします。そして揉み合いになりながらホテルは火に包まれ、崩壊していきます。
ホテルの消火が終わった後、なぜか死んだはずの人たちは無傷の状態で発見されます。どうやらワイアットが地獄の門を閉じたことにより、人々が無事に生還したようなのです。
彼はかつて事故により一度心臓が止まった経験を持っていたのですが、その時以来、何か目的を持って行動してきたようです。それがこのアバドンホテルの負の連鎖を止めること。1作目、2作目の登場人物が回すカメラの映像にワイアットが映り込んでいたことが明かされ、彼がこのホテルを長年調べ続けていたことが分かります。
そして映画の最後、1作目のHell Houseのスタッフたちが明るい光に包まれたアバドンホテルで目を覚まします。そこは死後の世界で、彼らは生き返ることはできないものの、地獄から解放され、再会を喜びながら安らかな日々を過ごすようです。
1作目が一番面白いのは間違いないのですが、2、3も決して駄作ではなく、むしろ個人的には好きな作品です。ただ、4作目はもっと面白いので、次の記事で詳細を書きたいと思います！次は「Hell House」シリーズ特集の最終回です！
