今回は、ホラー映画「Superhost（原題）」を紹介します。前回「The Puppetman」という映画の感想を書いたのですが、その作品の監督ブランドン・クリステンセンが2021年に制作したのが本作です。「The Puppetman」が面白かったので気になって見たのですが、これもとても面白い！カップルYouTuberが民泊先でなんだか様子がおかしいオーナーに出会う物語です。
作品概要
作品：Superhost
製作：2021／アメリカ
上映時間：84分
https://www.imdb.com/title/tt13309978/
あらすじ
カップルYouTuberのクレアとテディは、民泊先のレビューをVlogとして投稿するチャンネル「SUPERHOST」を運営している。登録者数と再生回数が減少している2人は、焦りながらも次の民泊先である山奥の一軒家へ。密かにテディはプロポーズ大作戦を計画しつつ自然に囲まれた豪邸に大満足の2人だったが、この家のオーナー・レベッカの様子がどうもおかしい。朝起きたら勝手に朝食を作っているし、異様なハイテンションで喋り続けるし、しかも家の監視カメラで2人を常に見ている気がする。不安を感じるテディをよそに、意地悪なクレアは「レベッカって頭おかしいから動画に載せちゃおうよ。再生回数稼げるかも！」と意気揚々の様子。しかし、そんな意地悪根性のせいで自業自得展開になるが……。
予告編
ネタバレなし感想
レベッカ最高〜！という感じで、レベッカのクレイジーな感じが面白すぎました。演じた女優さんの演技もとても良かったですね。
この作品の面白いところは、主人公カップルが登録者数と再生回数の低下に頭を抱えているやや難ありのYouTuberという点です。特に彼女のクレアはどうやったら再生回数を伸ばせるか？ということばかり考えていて、結構嫌な奴です。
テディの本気のプロポーズにも「よく考えたわね！みんなこういうバカみたいな動画が好きだから再生回数が伸びるわ！」と言ってテディを平気で傷つけます。また、2人は過去に民泊先を酷評したことでオーナーから恨まれている過去が明らかになります。一方的に動画で酷評したことで、その民泊先に誰も泊まらなくなってしまったらしいのです。
そんな2人が訪れた家でオーナーのレベッカと出会います。クレアは言動が独特のレベッカをバカにしながら動画の面白ネタになると喜びます。この時点で最悪のYouTuberだな！と視聴者は思うので、自業自得の展開に進んでいくのが結構面白いです。
いつの間にか全然原題が分からないような邦題で配信されそうな気がします。
ネタバレあり感想
↓ここからネタバレありなので注意です！！！
物語が動くポイントは2つあります。
1つ目は、2人が過去に酷評した民泊先のオーナー・ヴェラが凸ってくることです。その時はレベッカが狂気の大声で追い返すのですが、その後レベッカが「面白いものがあるから来て！」と言うので森に行くと、そこには縛られたヴェラの姿が。レベッカは2人のためだからナイフで刺し、2人は恐怖に震えるのですが、実はこれはレベッカとヴェラが仕組んだドッキリでした。
レベッカは同じ民泊のオーナーとしてヴェラに同情し、一方的に動画で酷評してヴェラのビジネスを妨害した2人が許せなかったのです。ここで終わればよかったのですが、本当に空気の読めないテディがレベッカに言います。「君こそなんなんだ！本当はあの家のオーナーじゃないんだろ？」。レベッカに森に連れて来られる前、テディは家に届いていた郵便の宛名がレベッカではなかったことを見ていたのです。
ここで2つ目のポイント。実はレベッカはオーナーではなく、民泊に訪れていたゲストでした。本当のオーナーの老夫婦を殺した直後、クレアとテディが家を訪れてしまい、オーナーのふりをしていたのです。
テディの余計な一言で正体がバレたことを悟ったレベッカは、その場でヴェラを殺し、2人を追いかけます。そして信じられないことに、2人は家に逃げ込むんです。家の鍵の暗証番号はレベッカも知ってるのに、なぜわざわざ家に逃げるの……とこっちが絶望するんですが、案の定2人は殺されてしまいます。
死ぬ前、クレアは携帯が使えないので「殺される！助けて！」という動画をアップしていたんですが、その動画には「そんなに注目浴びたいの？」「必死で草！」といったコメントが溢れ、誰にも相手にされないまま終わります。
もちろん人殺しのレベッカは悪人なんですけど、再生回数のためにやりすぎたクレアとテディも悪人なのではないか？というテーマが面白かったです。
関連作品
・本作の監督によるホラー映画
・崖っぷちYouTuberはヤケクソ！
