今回は、ホラーコメディー映画「Deadstream(原題)」を紹介します。以前ホラーアンソロジーシリーズ「V/H/S/99」の感想を書いたのですが、その中の一作の監督ヴァネッサ・ウィンター&ジョセフ・ウィンター夫妻が気になり、早速長編を見てみました。2人が監督脚本を担当しているのですが、なんと本作、ジョセフさんが主演も務めています!しかも、面白いです!
■作品概要
作品:Deadstream
製作:2022/アメリカ
上映時間:87分
■あらすじ
迷惑系YouTuberのショーンは、警察官に喧嘩を売ったり、ホームレスと戦って怪我をさせてしまったりしたことでスポンサーも離れ、崖っぷち状態。謝罪動画を出してから半年後、起死回生を狙うショーンは幽霊屋敷で一夜を明かすという生配信企画を発表する。当日、逃げられないようにするために自ら南京錠で扉を閉め、ジョークを交えながらテンション高めで配信を始めたショーンだったが、いきなりファンを名乗る女性が凸ってきたり、変な物音に怯えたり、次第に雲行きは怪しい感じに。果たして、ショーンは朝まで無事に過ごしYouTuberとして人気を取り戻すことができるのか!?
■予告編
■ネタバレなし感想
素直に面白いと思えるPOV作品でした!予告編で分かると思いますが、ホラーコメディーなので笑える要素があり、でもコメディーだからと油断していると唐突なホラー展開に驚かされる、そんなバランスが個人的には好きでした。
改めて僕が本作を見た理由は、前回紹介した「V/H/S/99」の中で一番好きだった短編を担当していたのが本作の監督ヴァネッサ・ウィンター&ジョセフ・ウィンター夫妻。チェックしなければ!と謎の使命感に駆られて「Deadstream」に辿り着きました。
↓ちなみにV/H/S/99の感想はこちら。
さて、物語の説明に戻りますが、本作は迷惑系YouTuberが再起をかけて幽霊屋敷での生配信に挑むところから始まります。元々はおバカな企画が中心だったものの次第に再生回数のためにエスカレートし、警察官に罵声を浴びせて追いかけられたり、ホームレスにお金を渡して喧嘩を挑ませたら怪我をさせてしまったりと、やりすぎて完全に干されてしまったわけです。そんな彼が幽霊屋敷でとんでもない目に遭ってしまう、というお決まりのパターンです。面白いのは、予告編の通り幽霊(というかもうクリーチャー)がバンバン出てくるところ。それこそ笑っちゃうくらい出てきます(笑)。
あと、最初は「謝罪動画を出したけど本当は悪いと思っていない」なんて言っていたショーンですが、生きるか死ぬかの状況になったらこれまでの迷惑行為について本音を話す場面があって、最近の迷惑系YouTuberの状況を反映しているようで意外と興味深い部分もありました。
2023年は「ダッシュカム」(実は結構前に見たのですが、感想を書きそびれてしまいました)も公開されましたし、もしかしたらこの勢いで劇場公開されるのでは?と勝手に期待しています。面白いので配信スルーでもいいから日本上陸を待っています!
■ネタバレあり感想
↓ここからネタバレありなので注意です!!!
物語が大きく動き出すのは、ショーンのファンを名乗る女性がいきなり幽霊屋敷にやってくるところからです。「配信で場所を特定したのよ!」とストーカーっぽい言動の女性に圧倒されるんですが、よくよく考えると絶対におかしい。
ショーンは屋敷に入った後、自分を追い込むために南京錠で中から施錠していたんです。つまり、ショーンよりも先にこの女性は屋敷にいたことになります。この女性は呪いの元凶となったミルドレッドさんという女主人だったのです!
ではなぜ急にこの女性が現れたのか。実はショーン、クローゼットにあった木札を「なんだこれ?」と言いながら壊していたんですけど、これが呪いを封じ込める大事なやつだったんです(笑)。そうしてミルドレッドから命を狙われ続けるも、なんやかんやで封じ込めることに成功したんですが、他にもたくさんのクリーチャーが現れる絶望的な状況になって物語は幕を閉じます。
僕が本作で気に入ったところは、生配信中にたまに視聴者から動画付きのコメントが送られてくるんですけど、ファンの少年が「あの木札の絵柄を調べたらwikiに載ってて、あれ壊したらダメなやつだよw」とか教えてくれるんです。結構自分のツボだったので、声出して笑っちゃいました。これからもヴァネッサ・ウィンター&ジョセフ・ウィンター監督コンビに大注目です!
■関連作品
・こっちのYouTuberは水中の幽霊屋敷へ
・SNSでバズりたい若者たちの行く末