のんびりホラー映画な日々

日本未公開の海外ホラー映画、海外ドラマを中心に、気ままに感想を書いています。

ネタバレあり感想「V/H/S/85」スコット・デリクソン監督作はなんと「ブラック・フォン」スピンオフ!

今回は、ホラーアンソロジーシリーズ第6弾「V/H/S/85(原題)」を紹介します。前作「V/H/S/99」からわずか1年、本作は1985年を舞台にしたPOV短編集となっています。前作が過去最高に地味だったのですが、第6弾にしてとんでもなく盛り返しています。それもそのはず、監督としてスコット・デリクソンやデヴィッド・ブルックナー、マイク・P・ネルソンが参加するというシリーズらしからぬ(?)豪華な顔ぶれで、当然のことながら面白い作品ばかりなのです!

 

 

作品概要

作品:V/H/S/85
製作:2023/アメリ
上映時間:110分

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https://www.imdb.com/title/tt22640398/
あらすじ

1985年を舞台にした6本の短編。研究者たちが謎の生物を捕獲して観察したり、湖に遊びに来た男女7人組が何者かに襲われたり、メキシコで起きた地震が実は全然地震じゃなかったり、ライブパフォーマンスで"テクノロジーの神"と接触を試みたり、一家に伝わる伝統の儀式がヤバすぎたり、夢で殺人を目撃してそれが現実になってしまったり。ザラザラとした粗い画質だけどクオリティは高い、そんな短編を楽しみましょう!

 

予告編


www.youtube.com

 

ネタバレなし感想

過去最高に地味だった前作「V/H/S/99」とは打って変わって最高のクオリティでした!「ブラック・フォン」「フッテージ」のスコット・デリクソン、「ナイト・ハウス」のデヴィッド・ブルックナー、リブート版「クライモリ」のマイク・P・ネルソン、すでに第一線で活躍している監督が参戦するという激アツな展開になっています。

↓ちなみに前作の感想はこちらから!

yfilm.hatenablog.com

さて、まずは短編6作品のあらすじを紹介します。

(1)男女7人組が湖のキャンプ場に来たら何者かに襲撃される(2)メキシコで地震が発生して逃げようとしたら地震ではなかった(3)小劇場でパフォーマンスする女性が「テクノロジーの神」を呼び覚ます(4)激ヤバな通過儀礼に挑戦した娘を祝うパーティー(5)殺人現場を撮影したビデオテープが警察に送られてくるがそれは未来の事件だった(6)謎の生命体を発見した研究者たちに悲劇が起こる(これは5作品の間に挿入される)、というラインナップです。

今回のお気に入りは、マイク・P・ネルソンによる(1)「No Wake」、スコット・デリクソンによる(5)「Dreamkill」です。

(1)には驚きの仕掛けがあって、今までになかった嬉しい裏切りでした。というか、過去のシリーズを見ているからこそ騙される感じでしたね。ネタバレで書きます。

そしてスコット・デリクソンの(5)は完成度が段違いで、他作品と並べたときに浮いていると感じるほどでした(笑)。長編化できるレベルですし、お馴染みのジェームズ・ランソンも出てますし、監督としての実力に圧倒されてしまいました。しかも「ブラック・フォン」と同じ世界線のスピンオフなので、この話のためだけにでも見る価値があるくらいです。

だからこそ、有名監督たちが目立ちすぎていつもなら面白かったはずの他作品が地味に見えてしまうんですよね。他の監督たちの作品も全然悪くないですし、むしろ面白かったのに影が薄くなってしまいました。今回はスコット・デリクソンが参加していて「ブラック・フォン」のスピンオフなので、さすがに日本でも配信されるのではないでしょうか。

 

 

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ネタバレあり感想

↓ここからネタバレありなので注意です!!!

 

 

 

 

 

リブート版「クライモリ」のマイク・P・ネルソン監督による(1)「No Wake」は、キャンプ場で男女が銃で襲撃され全員命を落とすのですが、湖の水に謎の効果(呪い?)があったようで生き返ります。死んだときの姿のまま生き返るので、正直こんな姿で生き返っても困るよ!という感じなんですけど、最後は「犯人を同じ目に遭わせてやる」と言って幕を閉じます。

(4)「Ambrosia」では、通過儀礼を終えた娘が「私、頑張ったんだからっ!」と自慢げに家族にビデオを見せます。その映像は、キャンプ場で若者を楽しそうに銃殺する娘の姿!そう、なんとこれは(1)の後編で、監督もマイク・P・ネルソン!この「V/H/S」シリーズは全エピソードが異なる監督による短編だったので、同じ監督の作品が点在していて前後編になっているなんて思いもしませんでした。最終的に娘は若者たち同様、死んだ姿のまま生き返ってしまい、復讐を果たされます。

そして大注目のスコット・デリクソンによる(5)「Dreamkill」。これは本当に面白かったです。残虐な殺人を夢に見てしまう少年ガンターは、その映像をビデオテープに録画できる能力を持っています。刑事の父親とその相棒は、ガンターの話を聞いて捜査を進めるんですが、相棒が気づいてしまいます。犯人はガンターの父親だったのです。

犯行がバレた父親はヤケクソ状態になって警察署で警官を殺しまくり、ついにガンターを殺そうとしますが、追い詰められたガンターは父親に言い放ちます。「この光景、さっき夢で見たんだ。だからこの後父さんがどうなるのか知ってるよ」。ここは痺れましたね!最高!その後、別の刑事に追い詰められた父親は最後、ガンターによって銃で殺されて終わります。

ガンターの超能力について説明される時、「ブラック・フォン」のグウェンの話が出てきて血縁関係にあることが明かされます。こういう繋がりって嬉しいですよね。

今回は大満足でしたが、すでに7作目の制作が決まっているようなので、ますます勢いが増すことを願うばかりです。

 

関連作品

・マイク・P・ネルソン監督によるリブート版!

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・「V/H/S」シリーズの4作目!

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