今回は、大人気ホラー「クライモリ」シリーズのリブート版で、2021年10月15日に日本公開された「クライモリ(原題:Wrong Turn)」を紹介します!1作目と全く同じ邦題なので、非常に紛らわしいことになっています(笑)。
クライモリは6作品も制作された人気シリーズなので、ここ最近のホラー映画のリブート&続編ブームを見ていると、今回のリブートも必然なのかなと感じます。ただ、本作はこれまでと大きく方向性を変えてきたな……という意外性のある内容になっているので、その辺りも含め感想を書きたいと思います。
■作品概要
作品:Wrong Turn
製作:2021/ドイツ
上映時間:109分
■あらすじ
ジェンたち若者6人組は、アメリカの山奥にハイキングにやってきた。宿泊先の女主人からハイキングルートから外れるなと忠告を受けるが、例によって違う道へ。案の定道に迷ってしまいたどり着いた先は、罠だらけで掛かったら一発アウト、しかも遠くからは誰かが見ている。そんな"いつもの"危機的状況に陥った若者たちは、一人ずつ姿を消してゆく……。
■予告編
■ネタバレなし感想
まず最初に「クライモリ」シリーズの話をします。僕は6作全て鑑賞済みのクライモリファンなのですが、このシリーズは若者たちが山で道を間違え(文字通りWrong Turnしちゃう)、迷い込んだ先で"奇形の食人族"に殺されてしまう、というのが大きな流れです。とてもシンプルです。
詳しくはネタバレの方で書きますが、この設定を知りながら本作を見ると意外な展開に驚かされると思います。というのも本作、かなり話の展開を変えてきています。この改変を受け入れられるかどうかで評価が変わるだろうなーという感じです。クライモリファンの僕としては、これはクライモリなのか?と言いたくなるような印象で、リブート版として制作する必要性があったのか疑問に思ってしまいました。
ただ、クライモリシリーズではなく別の作品と捉えると、最後まで楽しめる内容にはなっています。若者6人もこれまでのようなおバカな奴らというテンプレではなく、それぞれが良心がある人たちでしたし、ゲイカップルもいて多様性を意識した6人組って感じでした。
予告編以上のことを言いたくないのでネタバレなしでは話しづらい内容なのですが、あくまでクライモリシリーズとして見なければ良作かと思います。
■Amazonで配信中!
■過去の「クライモリ」シリーズも配信中!
僕は1作目が一番好きなのですが、2023年5月現在、Amazonでの配信が終了しているようです(涙)。なので、2作目以降のおすすめを紹介したいと思います。
一気にゴア路線に振り切った2作目の「クライモリ デッド・エンド」。リアリティーショーの撮影で森を訪れるという設定が面白いです。
実は2番目に好きな6作目の「クライモリ デッド・ホテル」。奇形一族の後継者が登場してこれまでと違った展開を見せてくれます。
■ネタバレあり感想
↓ここからネタバレありなので注意です!!!
さて、早速ですが、本作には"奇形の食人族"は出てきません!誰も喰われません!これが残念な改変だと思います。このシリーズの醍醐味は「奇形の食人族が森に迷い込んだ若者を喰う!」という点だと思っていたからです。僕はこれが残念でした。
では誰が襲ってくるのか?という話なのですが、山奥の集落で昔から暮らしているカルト集団が登場します。この人たちに遭遇した若者の一人が、殺されると思って誤って集団の一人を殺してしまうんですね。それで全員捕まり、裁判にかけられる(教団独自の法律)という流れでした。
勘違いとは言え殺してしまったのは事実なので、筋は通った話だなとは思ったんですけど、きっと彼らに見つかったらその時点で捕まるし、殺されないにしても奴隷にされるんだろうなとは思いました。ヒロインのジェンとその彼氏は、殺されない代わりに集落での生活を選ぶんですけど、心配したジェンの父親が探しにくるのでそこから第2部が始まる形で、それもあって長く感じてしまいました。
最後の最後にも面白い展開は待っていますが、山奥で独自の文化を築いているカルト集団っていうのは、最近の流行りなの?というくらいよく見る展開なので、ちょっと飽きてしまいました。やっぱり能天気に人が喰われる映画が見たいので、過去のクライモリシリーズを見ようと思います。
■関連作品
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