今回はホラーアンソロジーシリーズ「V/H/S」の最新作「V/H/S/94(原題)」を紹介します。いわゆるファウンド・フッテージ形式の本シリーズですが、これまで「V/H/S シンドローム」「V/H/S ネクストレベル」「V/H/S ファイナル・インパクト」の3作が製作されていて、今回は4作目となります。
■作品概要
作品:V/H/S/94
製作:2021/アメリカ
上映時間:103分
■あらすじ
とあるカルト集団を追って秘密の倉庫にやって来たSWATチームの面々。倉庫にはテレビと多くのVHSテープが置かれており、再生すると例によって恐ろしい映像が収められていた。そしてSWATチームのメンバーにもじわじわと危険が迫る……。
■予告編
■ネタバレなし感想
本作、物足りなさを感じる短編が多かったものの、好みの作品に出会うことができたので結果的には大満足です!実際のところ、これまでのシリーズも全ての短編が面白いということはなくて(苦笑)、自分好みの作品を見つけてその監督を覚えるってのが正解な気がするんですよね。
例えば、シリーズ2作目「V/H/S ネクストレベル」を見た方なら分かっていただけると思うんですけど、短編の中の1つ「Safe Heaven」の衝撃はすごかったですよね。これはティモ・ジャヤントとギャレス・エヴァンスによるものでしたが、実は今回一番面白かったのもティモ・ジャヤントの監督作でした。
さて、短編としては(1)都市伝説の"Rat Man(ネズミ男?)"を追うレポーターが地下道で酷い目に遭う話、(2)葬儀社で働く女性が夜勤中に棺桶からの物音に怯える話、(3)人間と機械の融合を挑戦し続ける男が人体実験に成功する話、(4)過激派武装グループがヴァンパイアの血液を使って新型兵器を作ろうとする話、というラインナップになっています。
とにかくティモ・ジャヤントが手掛けた3つ目のエピソードが大好きで、もうこれだけでもいいから見てほしい!と言いたいくらいです(笑)。シリーズの過去作は全て日本でソフト化されているので、本作も時間の問題かと思います。気長に待ちましょう。
■シリーズの過去作はAmazonで配信中!
(なぜかファイナルインパクトは配信されていなかった……)
■ネタバレあり感想
↓ここからネタバレありなので注意です!!!
今回、残念ながら僕が面白いと思えたのは先に言った通り、ティモ・ジャヤントによる3つ目のエピソードのみでした。他のエピソードはどこかで見たことのあるような設定が多く、死体の描写は気合いが入っていたものの強く印象に残ることはありませんでした。
さて、お気に入りのエピソードである「The Subject」では、人体実験を続ける男が人間と機械の融合に成功するところから始まります。そしてこの男の行方を調べていた特殊部隊が突入し、激しい戦いが繰り広げられます。
その人間と機械のハイブリッドは男性と女性の1人ずつ作られるんですが、男性の方は殺戮マシーンと化して特殊部隊の人たちを殺し続け、一方女性は自分自身の姿に戸惑い、恐れ、逃げようとする展開です。とにかくこのハイブリッドの造形がカッコよくてインパクト抜群でした。もちろん殺戮シーンにも気合いが入っています。
また、特殊部隊の人たちもそれなりに嫌な奴で、ハイブリッドになった女性のことを助けずに「もう彼女は人間ではない」と容赦なく殺そうとするんです。そこで登場するのが、特殊部隊の一人、少し気弱なジョノくんです。
ジョノくんは女性を助け、手を取り合って逃げようとします。結果的にジョノくんはハイブリッド男性に殺されてしまうんですが、彼のおかげで女性は逃げ出すことができるという結末でした。この短編を90分の長編にしてほしいなーと思うのと同時に、ハイブリッドとなった女性とジョノくんの恋愛のような絆を描いたドラマ要素も見たいな、と妄想してしまいました(笑)。
間違いなく日本でソフト化、おそらくDVDスルーされると思うのでぜひ見ていただきたいです。
■関連作品
・こちらのホラーアンソロジー、一体いつになったら日本に来るのか……