今回は、Disney+で配信中のホラー映画「バーバリアン（原題：Barbarian）」を紹介します。一つ前に感想を投稿した映画が「Barbarians」なので非常にややこしいのですが、こちらはビル・スカルスガルド出演、全米1位を獲得した民泊ホラーです。話題になっていたので楽しみにしていたのですが、予想外の展開に突き進んでいく良作でした。
■作品概要
作品：Barbarian
製作：2022／アメリカ
上映時間：102分
https://www.imdb.com/title/tt15791034/
■あらすじ
就職活動でデトロイトにやってきたテスは、翌日に控える面接のためにAirbnbで予約した民家にやって来た。家に入ろうとするとすでに別のサイトで予約したという男性、キースが滞在していて戸惑うテスだったが、深夜で大雨、しかも周囲のホテルはどこも予約が取れない状況のため、仕方なく朝まで過ごすことに。最初こそ警戒していたものの、キースと共通の話題で盛り上がり、これから民泊をテーマにした恋愛映画が始まるのかと思いきや、地下室で謎の部屋を見つけてからちゃんとホラーの展開へ。もしかして、キースはサイコパスなのか？それとも……？
■予告編
■ネタバレなし感想
非常に好みの良作でした！ビル・スカルスガルドが出演している民泊ホラーで全米1位を獲得した、という情報だけは知っていたんですけど、予告編すら見ない状態で鑑賞したのも正解でした。これは予想とは全然違った映画でしたね。
物語としては非常にシンプルです。主人公テスが面接のために借りた一軒家を訪れると、ダブルブッキングですでにキースという男性が滞在中。何事もなく翌日を迎えるも、トイレットペーパーを取るために地下室に行ってみると怪しげな部屋を見つけるという話です。
これ以上はネタバレになってしまうので書かないのですが、まさに二転三転する演出が好きで、非常にテンポも良かったです。キャストに名を連ねるジャスティン・ロングがいつ出てくるのか？というのも面白いポイントでした。
ちなみに本作、てっきり日本に来ていないと思ってわざわざ海外の配信で見たんですけど、すでにDisney+で配信が始まっていました。正直劇場で見たかったのですが、こんなに早く日本に上陸してくれたことを喜びたいと思います。
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■ネタバレあり感想
↓ここからネタバレありなので注意です！！！
テスが見つけた地下室にはベッド、カメラ、排泄用のバケツが置いてあり、まさに"監禁部屋"。帰宅したキースは「いやいや、落ち着こうよ」と言いながら地下室へ向かいます。全然戻ってこないのでテスが見に行くと監禁部屋の奥にさらに地下に進む階段があり、その先でキースが「助けてくれ！」と叫んでいます。
僕は「あぁ、キースはサイコパスで、テスは捕まっちゃうんだろうなぁ……」なんて考えながら見ていました。だって、演じているのがビル・スカルスガルドなので、ただのイケメンのいい人役なわけがないじゃないですか。そして地下でテスは慌てた様子のキースを見つけます。混乱するキースを連れて行こうとしたその時、背後から全裸の女性が現れ、キースを怪力で叩きのめして殺してしまいます。
そう、この映画は民泊先にいた怪しげなイケメンに監禁されるホラーではなく、地下に潜む全裸の(奇形っぽい)怪力女に襲われるホラーだったんです。メインキャストのビルがあっさり殺されてしまったので正直驚いたんですが、その驚きのまま数週間後の別の場面に転換します。
そこで登場するのがジャスティン・ロング演じるAJ。彼はレイプの罪で訴えられ無罪を主張している訳アリ男で、あの家に泊まりに来ます。すでに荷物が置いてあるので不審に思って地下室に降りると、数週間生き延びていたテスと遭遇。そして怪力女は監禁した人を自分の赤ん坊のように育てていることが分かります。
再び場面は転換し、昔の家が映し出されます。この家にはサイコパス男が住んでいて、女性を誘拐して監禁していたようなんです。子供を妊娠させてはその子供をレイプし、近親相姦の果てに誕生したのが例の怪力女でした。
レイプの罪で問われているAJが訪れるというのも皮肉というか、途中で明かされるのですがAJは潔白ではなく本当に最低のクズ男だったんですよ。男性からの性暴力によって誕生したのがこの怪力女でもあり、なんだか悲しい気持ちになってしまいましたね。
しかも最後、自分の身を守るためにAJはテスを売って自分だけが助かろうとします。最終的にはちゃんとクズのAJが死んでテスが生き残るのでよかったのですが、何とも言えない気持ちになる結末でした。そんな気持ちも込みで、個人的には好きな作品です。
■関連作品
・紛らわしい、ほぼ同じタイトルの作品
・地下室に行くとこういう目に遭います
