のんびりホラー映画な日々

日本未公開の海外ホラー映画、海外ドラマを中心に、気ままに感想を書いています。

ネタバレあり感想「The Twin」双子の息子に秘められた真実……暗い気持ちになる北欧ホラー!

今回は、フィンランド産のサイコホラー映画「The Twin(原題)」を紹介します。「サマー・ヴェンデッタ」を手掛けたフィンランドの監督、タネリ・ムストネンによる北欧ホラーで、主演にテリーサ・パーマーを迎えています。サマー・ヴェンデッタは北欧らしい美しい景色とダークな雰囲気の映画だったので今回も期待です!

 

■作品概要

作品:The Twin
製作:2022/フィンランド
上映時間:109分

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https://www.imdb.com/title/tt12390572/
■あらすじ

交通事故で双子の息子ネイサンを失った母親のレイチェル。夫アンソニーからの提案で、アンソニーの故郷フィンランドの小さな村に息子エリオットと3人で引っ越すことに。心機一転、穏やかな生活を始めたレイチェルだが、どうもエリオットの様子がおかしい。「僕はエリオットじゃない、ネイサンだよ」なんて言い始めるのだ。村人からはじっと見られているような視線を感じるし、この村はおかしいのだろうか、それとも、おかしくなったのは自分なのだろうか……。


■予告編


www.youtube.com

 

■ネタバレなし感想

テリーサ・パーマー主演の北欧サイコホラーは、非常に好みの映画でした!

実は本作、いわゆる二転三転する系の作りになっているので、そこで好き嫌いがはっきりと分かれそうなのですが、オチも含めてダークな世界観がとても好きでした。

物語は、主人公レイチェルが交通事故で双子の息子ネイサンを失うところから始まります。至る所にネイサンの面影を感じる家に耐えられず、レイチェルは双子の息子エリオットを連れて夫アンソニーの生まれ故郷に移り住むのです。

そこはフィンランドの小さな村で、村人は歓迎会を開いてもてなしてくれるものの、心の底から歓迎はしていない印象です。レイチェルは居心地の悪さを感じ始めるのですが、次第にエリオットの様子も少しずつ変わっていきます。

「ママ、僕はネイサンだよ」と言い始めたり、一人でいるはずなのに誰かと話していたり遊んだりしているようなのです。最初は兄弟を失ったエリオットが心の問題を抱えていると思ったレイチェルですが、少しずつ精神を追い込まれていきます。そして最後に全ての真実・秘密が明らかになったとき、何とも言えない暗い気持ちになります。

配信スルーになるとは思いますが、未体験ゾーンで公開してくれたら嬉しいです。

 

 

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残念ながら「サマー・ヴェンデッタ」は配信されておらず……少し雰囲気が近いと感じた映画を紹介します。

ロッジ −白い惨劇−

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■ネタバレあり感想

↓ここからネタバレありなので注意です!!!

 

 

 

 

 

中盤に1つ目のツイストが明かされます。ここは昔から悪魔崇拝をしている村で、実は夫アンソニーもグル!自分のお気に入りの息子だったネイサンを取り戻すために、エリオットを生贄にささげようとしていたのです。

恐ろしい真実を知ったレイチェルは、エリオットを連れて森の中へ逃げ出します。村人全員もグルなので取り囲まれ、いよいよアンソニーに捕まりそうになり必死に抵抗するのですが、ここで2つ目のツイストが明らかになるのです。

抵抗するレイチェルにアンソニーはこう言います。「まだ分からないのか!双子なんていないんだ!俺たちはあの日、"一人息子"を失ったんだ!」。

そう、全て(悪魔崇拝も含めて)がレイチェルの妄想でした。事故の日に車を運転していたのはレイチェルで、自分自身の不注意で一人息子のネイサンを死なせてしまったんです。その事実に耐えられず、双子の息子エリオットの存在を創り出します。アンソニーもレイチェルの精神崩壊に耐えられずその妄想を受け入れ、小さな村で暮らすことを選んだのです。

しかし、アンソニーが語る真実を受け入れられないレイチェルは存在しないエリオットを守ろうとし、アンソニーを突き落として死なせてしまいます。最後、レイチェルが空想のアンソニー、ネイサン、エリオットと幸せそうに微笑んで映画は終わります。

このオチは評価が分かれるだろうなーって感じなんですけど、僕は夫アンソニーがあまりにも気の毒で、彼の気持ちを思うといたたまれなかったです。妻が起こした事故で息子を失い、その後、妻は空想の息子エリオットを育てようとしている。妻を失いたくなかったために妄想に付き合うのですが、それが再び悲劇を起こし妻に殺されてしまう。レイチェルは妄想の世界で幸せかもしれないけど、現実を生きているアンソニーにとっては地獄だろうな、と思ってしまいました。

ネタバレになるので先ほどは紹介しなかったのですが、「マローボーン家の掟」に近い印象を感じました。日本公開を待ちたいと思います。

 

■関連作品

・バッドエンドに何とも言えない気持ちになる作品たち

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