今回は、2021年10月の「のむコレ'21」にて日本で劇場公開されたホラー映画「降霊会 ー血塗られた女子寮ー(原題:Seance)」を紹介します。本作は、アダム・ウィンガード監督の「サプライズ」や「ザ・ゲスト」で脚本を担当していたサイモン・バレットが監督を務めている注目作です!
■作品概要
作品:Seance
製作:2021/アメリカ
上映時間:92分
■あらすじ
ある夜、全寮制高校でケリーという生徒が部屋の窓から転落して命を落とす。その後、ケリーの部屋を使うことになった転入生カミールは、転入早々いじわる集団のボス、アリスに目をつけられて殴り合いの喧嘩に。校長から罰として命じられた手伝いで図書館にいると、アリスとその子分たちが亡くなったケリーを呼び出して死の真相を聞いてみようと降霊術を始める。するとその直後から一人、また一人と姿を消してゆく。これはケリーの呪いなのか?それとも……?
■予告編
■ネタバレなし感想
アダム・ウィンガード作品の脚本でお馴染み、サイモン・バレット監督作です!僕は「サプライズ」も「ザ・ゲスト」も本当に大好きな映画なのでとても楽しみにしていました。
さて、早速正直な感想を言いますが、先述の2作品よりも地味でよくあるティーンホラーな感じになっていました。次々と命を落とす生徒たちは主にアリスの子分たちなんですけど、全然個性がないので最後まで名前を覚えられなかったんですよね。毎回、この子誰だっけ?となるのが残念でした。
なんて文句を言いましたが、つまらなかったのか?と言われるとそうではないです。これがこの作品の不思議な魅力で、終盤にかなり気合いの入ったゴア描写がありまして、これを見せられたら嫌いにはなれないじゃん!というのが悔しいところなのです(笑)。
また、主人公カミールを演じたスキ・ウォーターハウスの存在感も相変わらず良かったですし、物語としても終盤にちょっとしたツイストがあって、そんな工夫が面白かったです。
降霊術以降、次々と不幸に襲われ命を落としてゆく女子生徒たち。本当にケリーの呪いなのか?それとも別の理由があるのか?気になった方はぜひ配信で!
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■ネタバレあり感想
↓ここからネタバレありなので注意です!!!
ネタバレとしては、大きく分けて2つあります。1つ目は女子生徒たちが次々と命を落としたのは呪いだったのかどうかという点。2つ目は主人公カミールの正体です。
まず1つ目ですが、呪いではなく殺人鬼による連続殺人でした。犯人は名前も思い出せないようなメガネ女子と、校長の息子。犯人が分かるシーンでこの2人が出てきたときに「あれ?名前なんだっけ……?(汗)」となる感じが残念でした。
実は最初に転落死したケリーもこの2人による犯行で、メガネ女子はケリーのエッセイをパクって提出したらまさかの奨学金が決まってしまい、バレるとまずいのでケリーを殺し、ケリーの作品であることを知っている他の子分たちも始末したようです。そしてサイコパス彼氏(校長の息子)が協力者でした。絶対他にやり方あっただろ!という気持ちになってしまい、なんだか殺された子たちが気の毒でした。
最終的に2人はカミールの犯行に見せようと拉致するのですが、カミールがブチ切れてメガネ女子は蛍光灯を首にぶっ刺され、彼氏は頭を切り落とされてしまいました。このシーンのインパクトが最高すぎて、この映画を決して嫌いになれません(笑)。
2つ目のネタバレ。実はカミールは偽名で、ケリーの死の真相を調べるために転入してきたのでした。そう、ケリーはカミール(本名は明かされず)にとって子供のころからの唯一の親友だったのです。終盤、カミールは犯人2人を前にして逃げることよりも殺してやろうという気合いがすごかったので、それで納得ができました。
ゴア描写やカミールの正体など、面白い点もあったのでなんだかんだ好きだな、と思った作品です。今後もサイモン・バレットに注目していきたいと思います。
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