のんびりホラー映画な日々

日本未公開の海外ホラー映画、海外ドラマを中心に、気ままに感想を書いています。

ネタバレあり感想「MORTAL モータル」マイティ・ソーをノルウェーで映画化したらこうなる!

今回は「のむコレ2020」にて上映された、ファンタジー/アクション/(ホラー)映画「MORTAL モータル(原題:Mortal)」を紹介します。マーベルの「マイティ・ソー」と同じく北欧神話が元ネタにした作品ですが、こちらはノルウェー製作なのでだいぶ味付けの異なる作品になっています。

 

■作品概要

作品:Mortal
製作:2020/ノルウェー
上映時間:104分

f:id:yusuke110044:20201108181327j:plain

https://www.imdb.com/title/tt5715066/
■あらすじ

ノルウェーの街を彷徨い歩く男、エリック。面白がって彼に絡んできた不良少年に「俺に触れるな」と忠告するが、無視した少年は不可解な死を遂げる。逮捕されたエリックは取り調べの中で心理学者のクリスティーンと出会い、エリックの不思議な力を知ったクリスティーンは彼を助けようとする。一方、エリックの能力を知るアメリカ政府も動き出していて……。

 

■予告編


www.youtube.com

 

■ネタバレなし感想

大人気アメコミ、マーベルの「マイティ・ソー」はアベンジャーズの大ヒットもあって多くの人が知っていると思いますが、元々このキャラクターは北欧神話の神・Thorをモデルにしています。このThor(トール、英語読みだとソー)を、本家のノルウェーを舞台にノルウェーの監督が撮ったらどうなるのか?というのが本作品です。

監督のアンドレ・ウーヴレダルは、「トロール・ハンター」「ジェーン・ドウの解剖」「スケアリーストーリーズ」といったホラー要素が強い作品を撮ってきた監督です。そう、つまり本作もダークでホラー要素のある作品になっていて、アクション!スーパーパワー!楽しい楽しい!という雰囲気からはかけ離れているんです。

主人公エリックは、なぜ自分が不思議な力を持っているのか知らず、コントロールできない力に苦しみます。力を使うたびに全身は火傷を負い、とにかく痛々しいです。そんなエリックにクリスティーンは優しく寄り添います。

僕は本当にこの作品が好きになったのですが、エリックとクリスティーンの関係が発展する過程も自然で唐突さはありませんし、わざとらしいヴィラン(悪役)がいないところも好みでした。

果たして、力に戸惑いながらも覚醒していくエリックがどんな結末を迎えるのか、派手で勧善懲悪なアメコミ作品に飽きている方にぜひ見て欲しいなと思います。

 

 

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アンドレ・ウーヴレダル監督の他の作品はこちら!

 

■ネタバレあり感想

↓ここからネタバレありなので注意です!!!

 

 

 

 

 

ズバリ言いますが、本作は悲しいバッドエンドで幕を閉じます。

逃避行の中でエリックは天候(雷)を操る力にも覚醒し、まさに神のような力を手にします。また、それだけでなく心停止した少年を蘇らせたりと、奇跡を知った街の人々も"神"の存在に熱狂するのです。

しかし、アメリカ政府は特殊部隊を使ってエリックの抹殺を試みます。全世界で神を信仰する人々がエリックの存在を知ったらどうなってしまうのか、世界中がどうなってしまうのか、恐れるのです。

最後はエリックの記憶を辿って小さな村にたどり着きますが、村の地下に遺跡があり、そこで彼は自分の正体を悟ります(ハンマーも出てきます!)。そして遺跡から出てきたエリックを撃とうとした特殊部隊は、誤ってクリスティーンを撃ってしまうんです。その後、怒りと憎しみに支配されたエリックが、力を使って人々を恐怖に陥れるところで幕を閉じます。

いやー、クリスティーンが撃たれるシーンは、正直つらすぎて見てられませんでした。エリックが街をどうしたのか全く描かれることなくエンドロールに突入し、恐ろしい事件を報道するニュースキャスターの音声だけが飛び交います。この終わり方も結構好みでしたね。悲しいですが、とてもいい作品でした。

 

■関連作品

・マーベルのX-MENシリーズ初のホラー映画

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・覚醒した男に近づいたらだめ!

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