のんびりホラー映画な日々

日本未公開の海外ホラー映画、海外ドラマを中心に、気ままに感想を書いています。

ネタバレあり感想「キャンディマン」キャプテン・マーベル続編監督による社会派ホラー!

2021年10月15日に日本公開されたホラー映画「キャンディマン(原題:Candyman (2021) )」を紹介します。本作は1992年の同名作品を新たに映画化したもので、「ゲット・アウト」「アス」のジョーダン・ピールが製作と脚本を手掛けています。また、監督はニア・ダコスタという方で、「キャプテン・マーベル」の続編「ザ・マーベルズ」に抜擢された大注目の監督です!

 

■作品概要

作品:Candyman (2021)
製作:2021/アメリ
上映時間:91分

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https://www.imdb.com/title/tt9347730/
■あらすじ

シカゴに住むアーティストのアンソニーは、彼女の弟から「キャンディマン」の都市伝説を聞かされる。それは鏡に向かって5回キャンディマンと唱えるとかぎ爪の男に殺される、という話だった。それが近くの団地カブリーニ=グリーンで実際に起きた話と知ったアンソニーは早速足を運び、ウィリアムという男と出会う。ウィリアムによると、キャンディマンは過去に起きた白人による黒人差別の事件が元になっているという。そして都市伝説のことを信じないアンソニーは5回名前を唱えてしまい、身の回りで次々と恐ろしいことが起こり始める……。

 

■予告編


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■ネタバレなし感想

とても面白かったです!やはりジョーダン・ピールが関わるホラー映画はただのホラー映画ではないですね。白人による黒人差別が描かれていて、量産されるホラーとは一線を画しています。このあたりの歴史に触れるような解説はもっと詳しい方にお任せするとして、僕は単純に映画の感想を書くことにします。

物語は、アーティストのアンソニーがキャンディマンの存在に興味を持ち、その名前を唱えてしまうことから話が動き始めます。鏡に向かって5回名前を唱える、みたいな都市伝説ってよくありますよね。確かブラッディ・メアリーとかも同じようなやつだった気がします。

さて、話を戻すと、アンソニーはキャンディマンの歴史を知ることでますます興味を持ち、やがて取り憑かれたかのようにそれをアーティスト活動にぶつけます。豹変していくアンソニーがどんな結末を迎えるのか、見る価値ありです!

そして正直、どこまでがネタバレにならないのか判断が難しいのですが、「1992年の映画キャンディマンを予習として絶対見ておくべき」ということは言いたいと思います!

 

 

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■ネタバレあり感想

↓ここからネタバレありなので注意です!!!

 

 

 

 

 

まず、本作はリメイクではなく1992年のキャンディマンの続編となっています。公式でも明確に”続編”とは書いていないのでネタバレ扱いにしたのですが、続編なので前作を見ていた方が間違いなく楽しめます。

なぜなら、作中で都市伝説として語られているのは、前作の主人公ヘレン・ライルの事件だからです。当時の新聞記事も出てきますし、ヘレンが使っていたテープレコーダーの音声も出てきます(ちなみにヘレンにまつわる都市伝説は結構脚色されて語られているのが面白かったですね。前作を見ている我々は何が起きたか知っているので)。

もう一つの理由は、これが結構重要なんですけど、前作では団地に住む女性の赤ん坊がキャンディマンに誘拐され、ヘレンがその子を救うという展開がありました。その赤ん坊こそ、今回の主人公アンソニーなんです。アンソニーの母親は前作と同じ女優さんが演じているので、この展開は結構驚きました。とはいえ、登場人物の名前ですぐに気づくべきなんですけど、僕はすっかり忘れていたので純粋に驚くことができました(笑)。

物語としては、アンソニーがキャンディマンに導かれ、キャンディマンになってゆく過程が描かれます。アンソニーはこれまでの事件、歴史を調べ上げ、過去に何度も白人たちから無実の罪を着せられ理不尽な暴力によって命を落としてきた黒人たちの存在、それがキャンディマンの起源であることを知ります。

歴史が繰り返され、それが現代でも起きていることは僕たちも知っています。この映画で命を落とした女子高生たちは黒人の女の子をいじめていた白人ですし、最後に容赦無く殺される白人警官たちも、悪意を持って無抵抗な黒人を殺し事実を隠蔽しようとしていました。そんな人たちの前に現れるのがキャンディマンなのです。

そういったテーマがかなり直球すぎるくらいに描かれているのですが、ジョーダン・ピールの映画が好きな方でしたら間違いなく楽しめると思います。

 

■関連作品

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・死の連鎖に巻き込まれてしまうと絶対に逃げられない 

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